WORKERS STYLE vol.16
WORKERS STYLE vol.14
ヘリテージパンツは完成していない。
ワークウェアとは、現場で履かれて働いて、初めてワークウェアとしての本来の意味・価値が伴う。着る人が自分の癖や働き方、思想を反映させるためのツールのような存在。ワーカーが自分の働くスタイルに合わせてカスタマイズし、それぞれのライフスタイルや価値観を表現していくアイテム。着る人の使い方やこだわりによって、ワークウェアは初めて「完成」されていく。このパンツがどんな風にその人にとっての欠かせない自己表現になるのか。ヘリテージパンツを通して、様々なワーカーにスポットをあてていく。
関ななみ/プロバスケットボール選手
北海道札幌市出身。小学校2年生からバスケットボールを始め、Wリーグ所属「日立ハイテククーガーズ」で6シーズン目を迎える。2024-25シーズンでは副キャプテンを務める。試合中のパフォーマンスはもちろん、日々の姿勢や取り組み方そのものに、彼女の“働く美学”がにじみ出ている。
―― 今日はありがとうございます。まずは自己紹介をお願いします。
関:関ななみです。北海道の札幌市出身で、小学校2年生のときにバスケを始めました。高校を卒業してからは、Wリーグの日立ハイテククーガーズに入団して、今シーズンで6年目になります。今は副キャプテンとしてチームを引っ張る立場でもあります。
―― バスケとの出会いってどんな感じだったんですか?
関:きっかけは、幼なじみに誘われたことですね。地元のミニバスチームに入って、そこから夢中になっていきました。
―― 今は“仕事”としてバスケットに向き合っていると思うのですが、「働いているな」と感じる瞬間ってありますか?
関:うーん、実はあんまり“働いてる”って感覚はなくて(笑)。好きなことに打ち込めているので、ありがたいなって思う気持ちが強いです。常に感謝してますし、その分しっかり結果で返していくのが自分の役目だなと感じています。
―― 試合前に決まってやっているルーティンはありますか?
関:あります。必ず聴く曲があって、それで気持ちをグッと高めてから臨みますね。あとはアロマを使います。ペパーミントの香りを顔まわりにつけて、集中モードに切り替えます。
―― 練習や移動中など、ウェアに関してこだわりはありますか?
関:練習着も私服も、短パンは丈短めが好きです(笑)。ソックスは長めにして、勝手にだけどスタイル良く見える気がして。遠征の時は移動も長いので、体に負担をかけないように、ゆるめのパンツとかトレーナーを選んでいます。ラフだけど快適な格好が一番です。
↑woman ヘリテージパンツ
―― 今日履いてもらったヘリテージパンツ、印象どうでした?
関:シルエットがとにかく可愛い!着方によって雰囲気が変わるから、コーデの幅が広がる感じがします。ボーイッシュにも、ガーリーにもいける。着る人の個性を引き出してくれるパンツですね。
―― “仕事着”として服に求めることは何ですか?
関:動きやすいのが第一ですけど、やっぱりおしゃれって大事。気分が上がるから。機能性とデザイン性、そのバランスが大事だと思ってます。
―― 試合に挑む時、大事にしている気持ちはありますか?
関:とにかく自信を持つこと。ちょっとでも不安があると、プレーにも出ちゃうので。だから不安要素をなくすために、日々の練習も相手の研究も、とことんやり切るようにしています。「もうやること全部やった!」っていう状態でコートに立ちたいんです。
―― 苦しい時期は、どう乗り越えてきましたか?
関:一人で抱えないこと。頼れる人にちゃんと頼るようにしています。あとは「今日の目標」を決めて、それが達成できたら自分を褒める。小さい成功を積み重ねて、自分を肯定するようにしてますね。
―― 最後に、今後見せていきたい“関ななみ”の姿は?
関:もちろん、プレーで活躍する姿を見せることが一番なんですけど、それだけじゃなくて、人生を楽しんでる姿を見せていきたいと思ってます。子どもたちやファンの皆さんに、夢とか感動を与えられるプレイヤーでいたい。そのために、バスケ選手という立場を活かしてできることをもっと増やしていきたいです。バスケの魅力をもっと広めたいし、個人としてもチームとしても、知ってもらう努力を続けていきたいです。
日々の練習、仲間との時間、遠征先での移動、そしてコートに立つ瞬間まで。
そのすべての中に、彼女の“仕事”がある。
感謝を忘れず、ひとつひとつのルーティンを丁寧に重ねていく。
関ななみのプレーには、そんな気配がある。
ヘリテージパンツもまた、その流れの中で選ばれた一本だった。
柔らかく、強く、自由で、整っている。
そしてきっと、彼女の歩みとともに、まだまだ進化していく。