なかなか知り得ない店舗の話【Part2】
みなさま
本日もブログをご覧いただき誠にありがとうございます。前回、
UNIVERSALOVERALL
の直営店が出来るまでのお話をしようと思い書き始めたのですが 思い返すと話が止まらないです…もう少しお付き合いくださいませ。
Part1はこちらから
やっと出会えた、待ちに待った物件を拝見しに行くと…いい意味で雰囲気のある、雑な言い方をすると「古い」物件…過去の経験上、これは厄介な事になると即座に思いました。
なぜかというと、一番のポイントは、いじれないって事なんです。いじるっていうのは、造作をする事・不必要な物を壊して新たに作り直す事です。想像して頂くと解ると思いますが築40年以上の木造建築はリノベーションするにも作業の技術・膨大なお金を必要になります。建て直し方がお安い場合があります。ましてや建物自体が既に弱っていると手の施し様がないです…
古い物件というのも作ろうと思っても作れない本物の味(経年変化・使用感)があります。ジーンズの本物のVintage物と新しい物を加工した物ではどうしても差が出てしまうのと同様です。
最近の趣向として新しい物件とお金をたくさん掛けていかに忠実に古く再現するかというブランドさんもあります。
我々のブランド背景の創業約100年という歴史観を表す面ではこの物件は最高です。ブランドらしさを造作するには当然ですが実際に店舗内に入ってどういう状況になっているかを考慮しないといけないですよね。
はい!早速中に入りました。
いかがでしょう…建物の入口を見た時の比ではない更にびっくりな物が店内の天井にありました…既に店舗にいらして頂いた方はご存知かと思います。例の物です。
通称「梁」(ハリ)です。
このマンションが坂の途中にある為、半地下一階の物件を作るにはこの梁という補強をしないといけないのです。
という事は…
はい…
除く事は出来ないです…
即会議です。方針を決めないといけないです…なぜならアパレル業界の店舗オープンの時期はシーズンの立ち上げ時期に合わせると効果的という定説があるのです。時すでに5月末です。店舗のオープンは8月か9月に設定。
期間を1か月と想定すると7月末から8月初旬には工事に入らないと間に合いません。この場所で店舗をオープンするかどうかの判断は契約する時期を逆算すると「この物件を契約するのであれば期限はこの2週間以内…」
通常どうやっても事前の精査には1か月は必要です。でも2週間しかないです。っと大げさな言い方をすると2019年の出店は出来ない事も頭によぎります。
ゴールデンウィークが終わって、自分だけならまだしも関係各所の方々までトップギアを入れないと対応出来ないと説明・説得…あの時は皆様本当にありがとうございました。というか無理しか言えない状況だったのを今になってこの場をお借りして陳謝します 。
早速という言葉も間に合わないスピード感でここから動き出します。
デザインチームは、100年の歴史を感じる事は出来て、しかもどこか新しさを感じる事、老朽化・梁を上手に活用するイメージ制作。
施工チームは、この物件の老朽化・梁などの懸念事項を全て克服・解決出来る経験と実績がある業者選定。
本部運営チームは、シカゴ本社への確認、オープン後に必要な備品等の準備期間の確認、契約する上での関係各所への諸条件確認。
判断のリミットは6月中旬までの「2週間」本当に出来るのか超絶な不安感と動かさなきゃいけない使命感となぜかこんな状況にワクワクする高揚感が少し出てきたオープン3か月前です。