WORKERS STYLE vol.14


ヘリテージパンツは完成していない。
ワークウェアとは、現場で履かれて働いて、初めてワークウェアとしての本来の意味・価値が伴う。着る人が自分の癖や働き方、思想を反映させるためのツールのような存在。ワーカーが自分の働くスタイルに合わせてカスタマイズし、それぞれのライフスタイルや価値観を表現していくアイテム。着る人の使い方やこだわりによって、ワークウェアは初めて「完成」されていく。このパンツがどんな風にその人にとっての欠かせない自己表現になるのか。ヘリテージパンツを通して、様々なワーカーにスポットをあてていく。


池谷翔大/観葉植物リース業
1994
年生まれ、東京都出身。アパレル業界でのPR職を経て、観葉植物リースを手がける「株式会社DAISHIZEN」に転職。GREENSCAPEのチームリーダーを務め、都内のオフィスやショップ、展示会などに植物を設置・提案し、緑と人との距離を整える日々を送っている。


――本日はよろしくお願いします。

池谷:遥々ありがとうございます!よろしくお願いします!

――広いですね、もう緑がすごい。

池谷:都内じゃあんまり見れないですよね。立ち話もなんなので、どうぞこちらで。

―― ありがとうございます。では早速ですが。お仕事について教えてください。

池谷:はい、今はこのソルソファームで、観葉植物の設置とかリースをやってます。メンテナンスも含めて、現場での仕事が中心ですね。お店とか展示会とか、オフィスに緑を置いて、それを管理していくっていう感じです。

―― もともとアパレル業界にいたそうですが、そこから植物の世界へ。転職のきっかけはなんだったんですか?

池谷:もともと某アパレルのPRをやってたんですけど、ちょうどコロナになって、イベントもなくなって、人と会う機会も減って。「なんか、楽しくないな」って思っちゃったんですよね(笑)。
そんな経緯があって、デスクワークではなく健康的な仕事を探していた時にサーフィン仲間の先輩に紹介してもらったのがこの会社でした。

―― 直感で動くタイプですね。

池谷:そうですね(笑)。でも、自然と人が関わるところに惹かれたのかもです。

―― 実際に働いてみて、どうでしたか?

池谷:面白いです。植物ってすごい正直なんですよ。置いてある場所、環境によって水を吸う量が変わってきたり、枝の剪定、品種を覚えるのは最初苦労しますが、毎週植物に触れているので自然と身についてきますね。

―― PR時代の経験って、今に活きてますか?

池谷:活きてますね。たとえば展示会とかショップの設置のときに、「こういう見せ方のほうが映える」とかって、自然と考えちゃうんです。昔、スタイリストさんと仕事してたのも大きいかもしれないです。植物もある意味、空間のスタイリングなんで。

―― ヘリテージパンツ、履いていてどうですか?

池谷:めちゃくちゃいいです。実際、搬入や設置って、膝ついたり立ち上がったり多いんで、動きやすさが超大事で。あとは汚れても全然OKなとこ。土とか水とか、汚れること前提の仕事だから、それが逆にになっていくのがいいっすよね。

―― 普段の服装も、やっぱりラフな感じですか?

池谷:そうですね。動きやすくて、肩がこらないやつ。あと汚れても気にならないものっていうのも大事ですね。

―― 「働く服」って、池谷さんにとってはどんなものですか?

池谷:「空気みたいなもの」ですかね。意識せずに着てて、それでちゃんと役割を果たしてくれてる。無理して着てる感がないというか、自然に手に取ってる服がいちばん信用できる。ヘリテージパンツも、まさにそういう感じです。



「植物と向き合う」とは、土に触れることだけではない。光の入り方、風の流れ、そこに立つ人の空気までを感じながら、最適なバランスを探していく。池谷さんの仕事は、そのちょうどいいを見つけ続けることなのかもしれない。

だからこそ、服にも無理はない。動きやすさと心地よさ、そして汚れすらも味になること。彼が選ぶヘリテージパンツには、そうした価値観がしっかりと根を張っている。

PRから植物の世界へ。大きな転身に見えて、彼の中では自然な流れだったのだろう。空間に緑を置き、空気を変える。そんな彼の仕事は、今日も静かに都市の風景を整えている。